
しなやかな身体の作り方
しなやかな体づくりの第一歩は、緩める事からです。
私たちの体は年齢とともに変化が起きて来ます。
実は生まれた時から、私たちが死に向かっているのですね。
赤ちゃんとは赤くて暖かくて柔らかい。
老人は白くて硬くて冷たい。
柔らかくて暖かいものから、ドンドン硬くて冷たいものへ変わってゆく。
それが人によって速度が違いますが、確実に生まれた時から赤から白へと変化をしてゆくのです。
なるべくその速度を遅らせるためにはどうしたら良いのでしょうか?
それは、赤ちゃんの様に柔らかく暖かい、しなやかな筋肉を作る事です。
ですので高齢者に大切な事は筋トレの前に、しなやかな柔らかい筋肉を作り出す事であります。
錆ついて、ブレーキと車輪の軸とハンドルが曲がり、ブレーキが引っかかった自転車に乗るとどのようなことになるのでしょうか?
ギィギィと音が鳴り、シャンシャンとうるさくて、上り坂でもないのに急坂を登るような筋力が必要になり、ペダルをこぐのやめるとすぐに止まってしまいますね。
また車体とハンドルが歪んでいるために、サドルに乗ってハンドルを握ってもバランスがうまくとれません。
フラフラとし、走る方向を定めることすら難しい状態になっています。
ほとんど前に進まない自転車。乗っている体は疲れ、頭もイライラマックス。
そんな経験は無いですか?
私たちの体も、きちんと手入れをして行かないと、このように、錆ついた自転車のような状態を起こしてしまいます。
自転車や自動車は車検があったり、油をさしたりして硬くなったところや錆ついた所は修理をすることができます。
私たちも体の様子を見たり、メンテナンスをきちんとしていかないと、錆ついた自転車のように、まっすぐ歩くことが出来なくなってしまったり、体を動かすとギコギコ音がしたり、挙句の果てには壊れてしまって動くことができなくなってしまう。
ということが起きてきます。
車や自転車と同じように、私達の身体もオイルをさしたり、正しく整備をすれば信じられないほどピカピカに蘇り、快適に動く事ができるのです。
筋肉が硬くなると、関節の動きが悪くなり、可動域が狭くなり、血液の流れもリンパの流れも大変悪くなり、冷えや凝り、痛みの原因となってきます。
では私たちの体にオイルを刺したり整備をするには、何を1番にすれば良いのでしょうか?
まず第一歩として、全身のすべての部分をゆすりほぐすと言うことです。
ゆすり、緩めることがことから、始めましょう!
関節の隙間が緩んで柔らかい体が出来上がってくると、体は非常にオイルの流れも(血液)良くなり、しなやかな筋肉が出来上がり、怪我が少ない体が出来上がっていきます。
日本の建築物で京都の五重塔等がありますが、この建築物は長い間地震で崩れることがなく建っています。
その原理と言うのは、カチっと固めた構造ではなく、
真ん中に「心柱」という太い柱があり、各層が出来ています。
それぞれの層を支えている組物は金具でしっかり固めているのではなく、ある程度隙間があります。
そのため、地震の周期に合わせて各層が動くことが可能だからなのです。
人体も真ん中に脊柱があり、
肋骨、骨盤と各層がありますね。
しなやかな構造であれば、柔らかく、しなることによって壊れたり崩れることがないのです。
反対に固めたコンクリートの建物は、一見丈夫そうに見えますが
地震などの振動に対しては大変もろく、崩れ落ちると言うことが起きてきます。
崩壊ですね。
また柳と大木はどちらが強いでしょうか?
台風が来た時など、しなやかに動く柳は、「風に背かぬ柳かな」
と言葉があるように
折れることもなく立っていることができます。
それに引き換え、大木は風に抵抗しつつ.立っているがために、
台風など強風に会うと倒木すると言うことが起きてきます。
一見頑丈そうに見える建物よりも、しなやかに動くものの方が、
実はありとあらゆる衝撃に対する抵抗力は強いのです。
人体も全く同じで、硬くなってしまった部分はもろく壊れることがありますが、しなやかで柔らかく暖かい筋肉は色々な衝撃に強く怪我や痛みが少ないのです。
ですので
まず体の各パーツの緻密な連結を解き放つことが大事です。
つまり関節と関節の隙間を広げて緩めて行くと言うことです。
スポーツ選手たちが試合の前に、手足をブラブラブラーと振っている姿を見たことがあるかと思います。
水泳選手などは、スタートラインに立つ前には手足をブルブルと揺さぶります。
陸上選手も、走る前にはふくらはぎや太ももをブルブルとさせている姿を見たことがあると思います。
このような行動は様々なスポーツに見られます。
これは多分各選手が本能的にしていることだと思います。
ゆする
ゆれる
ゆるむ
これが筋肉にアプローチする最高のやり方だと思います。
これを何度も何度も繰り返していくと体が徐々に緩んできます。
ゆすればそれだけ揺れやすくなり、さらに揺れやすくなると各パーツの連結(関節)がどんどん緩められていきます。
緩められることによって体はどんどん脱力していきます。
体が緩んで行けば心の状態も緩んでいきます。
私はレッスンの前に体の各部分を揺さぶると言う動きをいつも入れていきます。
また自力整体は、各関節を広げ、隙間を作りながら体を「ゆする」動きを常に行っていきます。
私はその時に、生徒さんを見て、筋肉の硬さや、動き方で大体その人の性格や心の状態を把握することができます。
頑固な人や緊張している人は体が硬い。
しなやかに動けない。
ぎこちないなぁという動き方になってきます。
心に緊張があると、それだけで筋肉は硬くなり動きも制限されてきます。
逆を考えれば、体を緩めて筋肉をほぐして関節の隙間を広げていくことにより、
心も解放でき自律神経のバランスを整えることも可能と考えられます。
また、私たちの体はすべてつながっています。
足の親指をぐっと立ててみましょう。そこに立たないように、ちょっと抵抗をかけてみます。
そうすると足の指先から背中・頭までに、ぐっと力が入っていくのがわかると思います。
足の指先から脳天まで、身体はつながっていっているのです。
足首を回してみましょう、
その時に体を観察してみてください。
足首を回すだけでも膝も股関節も一緒に動いていきます
それがまさに体へのオイル差しだと思ってください。
ぎこちない動きも末端をゆっくりと動かすことによって中心部がどんどん緩んでいくのが感じられると思います。
なので、どこか痛いとか動きづらいとところがあっても、
末端の一部分を少しずつ揺らしていくことにより、その振動が全身に伝わり体の中心部まで緩めることが可能となっていきます。
身体は一つなのです。
ゆする
ゆれる
ゆるむ
この3ゆ を是非生活の中に取り入れてみてください。